リベルサスは医療ダイエットで最もよく使用されるお薬の一つですが、体重を減らす理由として、食欲を抑える効果があるといわれています。しかし具体的にどういうふうに食欲を抑えるのか、あまり説明されていません。
同じ成分(セマグルチド)の注射製剤による、食欲を抑える効果を調べた臨床試験があります。そこでは、BMI30以上の健康な参加者に、同じ朝食を提供したあと、昼食と夕食、間食を自由に食べてもらい、その摂取量や嗜好の変化を観察しました。
結果として、食事の摂取カロリーは24%減少し、体重が12週間で5㎏減少しました。体重減少は、多くが体脂肪の減少によるものでした。また食欲が低下し、食事のコントロールができるようになり、高脂質で甘くない食べ物(牛肉、ウインナーなど)に対する欲求が低くなっていることがわかりました。一方で甘いもの、特に低脂質で甘い食べ物(果物など)に対する欲求は、あまり低下していませんでした。なお基礎代謝や、吐き気等の副作用に関しては、薬を使用していない参加者と、ほとんど変わりありませんでした。
まとめると、リベルサスは食欲と空腹感を減らし、高脂質の食べ物への欲求を大きく減らし、摂取カロリーを減らすことで体重を減少させます。カロリーの高い脂質の摂取を大きく減らすことで、体重減少につながるということですね。
〔文献〕
J. Blundell et al.:Effects of once-weekly semaglutide on appetite, energy intake, control of eating, food preference and body weight in subjects with obesity.Diabetes Obes Metab
.2017